マツダ交通の見たまま

主に大阪シティバスの小ネタや歴史をディープに掘り下げる考察系ブログです。

タウンカードとレインボーカード

こんにちは😃

皆さまが鉄道を利用する場合では、大体はICカードを使われる事が多いかと思います。関東ではSuicaPASMO(どちらもモバイル含め)、名古屋ではmanacaTOICA、近畿ではICOCAPiTaPaでしょう。

しかし、時をさかのぼってみればICカードがない頃だと、関東であればパスネット(PASMO普及に伴い廃止)、近畿であればスルッとKANSAIの磁気カード(ラガールカードパストラルカード等)が主流でした。

また大阪市交通局ではレインボーカード、そしてそのまた昔に普及していたタウンカードというものが存在していました。

今回は2つのカードを紹介しつつ、その違いなども見ていきます。

 

タウンカード(Town Card)

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タウンカードとは、大阪市交通局が1988年3月1日に発売したプリペイド(前払い)式磁気カードのことです。これは、切符売り場の発券機で現金を使わずにカードを投入して切符を購入するという革新的なものでした。類似するものだと、テレホンカード(公衆電話に現金を入れず、カードを差し込むと通話ができる)のような存在でしょうか。

f:id:Matsuda_KOTU:20211117202958j:image[タウンカードのご利用方法。後には精算機での乗り越し時にも利用できるようになる]

元々は国鉄が発売したオレンジカードから始まり、関西圏の私鉄では近鉄が1986年10月にパールカードとして発売していました。

なお、切符売り場で買えるタウンカードは地下鉄マークと10系車両を組み合わせたデザインのみの発売で、1000円・2000円・3000円券のみの販売でした。

f:id:Matsuda_KOTU:20211117204758j:image[券売機で発行されるタウンカード]

それ以外のデザインであれば、定期券発売所やカード取扱い券売機センター付近の売店にて発売されており、こちらは上記の金額券以外に500円券が発売されていました。

しかし、1996年2月1日にレインボーカードが発売されることに伴って前日の1月31日に販売終了となってしまいました。(終了時にはそのまま利用できる上、券売機にて同額のレインボーカードと交換することができた。[現在は不可])

f:id:Matsuda_KOTU:20211117205520j:image[記念タウンカード]

f:id:Matsuda_KOTU:20211117210012j:image[再発行タウンカード(券売機発売)]

 

 

レインボーカード(Rainbow Card)

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レインボーカードとは大阪市交通局が「スルッとKANSAI」加盟に伴い発売されたプリペイド式カードです。

こちらは従来のタウンカード同等の利用ができるほか改札機にそのまま通して精算するスタイルで、まさに現在のICカードさながらのモノでした。当初は1996年2月1日に発売開始、ただ発売当初はスルッとKANSAIのシステムが未導入だったため〝タウンカードと同様に券売機で切符すること〟しかできず、本格的にカードとしての機能が使えたのは1ヶ月後の3月20日のことでした。

f:id:Matsuda_KOTU:20211117221840j:imagef:id:Matsuda_KOTU:20211117222457j:image[レインボーカードのご利用方法]

大人: 1000円・2000円・3000円・5000円券

小児: 500円・1000円券

f:id:Matsuda_KOTU:20211117224239j:image[券売機以外で購入できる記念レインボーカード]

後にはポストペイ(後払い)式ICカードPiTaPaが登場した傍らでも継続して発売していたものの、2008年に偽造レインボーカード(だいどう豊里の豊が豐になっていた等)使用問題があったものの対策を講じる形になりました。

f:id:Matsuda_KOTU:20211117224317j:image[対策後のレインボーカード(背景に局章(ロゴ)が付いている)]

結果的にはPiTaPaに1本化した形で2017年3月31日に発売終了、翌年の1月末に利用終了しました。

 

2つのカードの違いとは?

先述した通り、タウンカードはあくまで切符売り場で切符を購入するためのカードです。

レインボーカードはこれのみならず、切符に変えることなく改札機に通して乗降することのできるカードです。

これらの違いは主に次の通りです。

 

  • タウンカード

1.バス車内での精算時に使えるか? 

→使えない

2.カード再発行までの印字回数

30回まで(超えると乗り越し等での精算機で使用できず、券売機にて再発行となる)

3.使用中での払い戻し(利用可能当時)

→できない

4.印字の表示場所

表面

5.他社線利用

→切符を購入すれば可能

 

  • レインボーカード

1.バス車内での精算時に使えるか? 

使える

2.カード再発行までの印字回数

21回まで

3.使用中での払い戻し(利用可能当時)

→できない(ただし、間違えて入口の改札機を通してしまった場合は記録を取り消す事は可能)

4.印字の表示場所

裏面

5.他社線利用

スルッとKANSAIの利用区間であれば、改札機を通して乗り降り可

 

終わりに~

タウンカードやレインボーカードではこれほどの違いがあるのです。😌

また当時ではどちらもデザインをオーダーメイド出来たりメッセージを追加できたりとプレゼント用として購入することもできたようです。

それに記念用のカード(上記に挙げたもの)も多く発売され、当時のバスまつりなどにおいてはキットとして出していた事もあって収集家にとってはさぞ嬉しかったことでしょうね笑☺️

とはいえ、このような磁気カードがあったからこそPiTaPaなどのICカードに進化し便利になりつつある中、今後はどのような決済方法が登場するのか気になるばかりです。

 

では👋